耕平さんかわら版   第38号(平成17年8月)

 

 残暑お見舞い申し上げます。ご承知のとおり、末広がりの8月8日に衆議院が解散になりました。総選挙の投票日は9月11日です。さて、第四十四回総選挙は、日本にとって末広がりの結果となるでしょうか。小泉さんと岡田さんの真夏の対決です。

 

「入口」改革対「出口」改革

 

郵政事業には郵便と金融の二つの業務があります。郵政事業の問題点は、金融業務(郵貯・簡保)が340兆円もの国民の皆さんのお金を集め、そのお金が国債などを通じて国にわたり、特殊法人等にムダ遣いされていることです。

喩えて言えば、郵貯・簡保がお金を集めるところは「入口」であり、国がそのお金を使うところは「出口」です。問題は「出口」なのです。今回否決された法案は「入口」を民営化する案ですが、民営化と言っても政府が株主の特殊会社になることです。問題の「出口」改革にはつながりません。

また、中山間地の貯金やお年寄りの年金受取などの面で、郵便局は「入口」として重要な役割を果たしています。こういう役割を考えると、「入口」よりも「出口」の改革を一生懸命やるべきです。岡田さんは「出口」でのムダ遣いをなくすことを優先すべきだと言っています。「入口」の小泉さんか、「出口」の岡田さんか。今度の総選挙はそういう選択です。

しかし、総選挙の争点は郵政問題だけなのでしょうか。総選挙という以上、日本をどのような国にするのか、様々な分野の政策をどのようにしていくのかという全体像=マニフェスト(政権公約)が問われます。有権者の皆さんには、是非、マニフェストを比較して投票行動を決めて頂きたいと思います。

年金をはじめとする社会保障制度の抜本的見直しが最重要課題です。また、税金のムダ遣いは一向になくなりません。税金のムダ遣いと闘うことは「出口」改革にも通じます。

いずれにしても、総選挙の実施には約一千億円の費用がかかります。全部税金です。「出口」改革が本丸であるにもかかわらず、「出口」改革を含まない「入口」改革を主張し、その「入口」改革だけを争点にして総選挙に税金を使うことは、本末転倒と言わざるを得ません。

不器用で愚直かもしれませんが、ウソを言ったり、パフォーマンスをすることなく、正々堂々と総選挙に臨みたいと思います。

 

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耕平さんかわら版   第39号(平成17年9月)

 

皆さん、こんにちは。総選挙が終わりました。特別国会が今日から始まりますが、今後の政治や政策のあり方をお考え頂くために、ひとつの視点をお示しします。

 

「小さな政府」と「国民負担率」

 

今の日本の財政状況を考えると、「小さな政府」という方向性は、どこが政権を担っても共通の方向性だと思います。何しろ、公表されている国と地方の長期債務(期間一年以上の借金)だけで約700兆円、短期債務や隠れ借金を含めると1500兆円は下らないと言われています。

 ところが、不思議なことがひとつあります。税金と社会保険料の負担を合算して「国民負担率」と言いますが、政府、とくに財務省は、「日本の国民負担率は諸外国に比べて低い」ということを一貫して主張しています。「だから、もっと税金や社会保険料を負担してください」という理屈です。ということは、今の日本は「小さな政府」の状態にあるということでしょうか。そうであるとすれば、「小さな政府」を目指すというのは妙なことです。

国民の皆さんは、「国民負担率がそんなに軽いという感じじゃないけどなぁ・・・」というのが実感ではないでしょうか。

その理由はふたつあります。ひとつは、税金と社会保険料以外にも、老後や病気に備えた貯蓄や民間保険の保険料負担があるためです。つまり、私的な社会保険料と言えます。もうひとつは、歳出の側で「国民負担率」に見合ったサービスが受けられていないということです。

「国民負担率」的には「小さな政府」なのに、歳出の中にムダなものや不要不急の支出が含まれているため、社会保障サービスが十分ではないということかもしれません。

いずれにしても、「国民負担率」を諸外国と比較する場合には、こういう点も考慮に入れた正確な議論が必要です。

 分かりにくい内容かもしれませんね。少し表現の仕方を変えると、「今は小さな政府だと主張している一方で、小さな政府を目指すというのはなぜですか?」ということです。何だかクイズのようですが、このクイズの答え、今日からの国会で、谷垣財務大臣に改めて聞いてみたいと思います。

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耕平さんかわら版   40号(平成17年10月)

皆さん、こんにちは。日に日に秋が深まる今日この頃、いかがお過ごしですか。さて、来年の通常国会では医療制度改革が議論されます。現役世代の医療費負担を軽くするために、高齢者医療制度を切り離すことも検討されています。せっかく制度を見直すなら、誰にでも分かり易い制度にしたいものです。

 

分かりにくい高額療養費制度

 

「医療制度は難しくてよく分からない」とおっしゃる方も多いと思います。でも、知らないと損をすることもあります。そんな制度のひとつが高額療養費制度です。

高額療養費制度とは、自己負担限度額を超える医療費が還付される仕組みです。還付されるのは、病院窓口で支払った金額から自己負担限度額を差し引いた分。しかし、対象者のうち四人に三人がこの制度を利用していません。制度があまり知られていないこと、制度が複雑すぎることがその原因です。

制度を皆さんに知らせるのは保険者の役割。国民健康保険の保険者は市町村、政管健保の保険者は国(事務を行うのは社会保険事務所)です。しかし、市町村も国も高額療養費制度への対応はマチマチ。還付金が生じるかどうかの通知を患者に送ったり、送らなかったり、バラバラの対応振りです。これでは、制度の存在を知ることができるかどうかも役所の対応次第ということになります。

そのうえ、制度の内容が複雑で難解。複雑さのひとつは、患者の年齢と収入によって異なる自己負担限度額の決め方です。例えば、70歳以上で課税所得が145万円以下で住民税を払っている人が入院した場合、ひと月の自己負担限度額は40,200円。月に100万円の医療費がかかった場合、窓口負担30万円から40,200円を引いた259,800円が還付金となります。けっこう返ってきますね。

返ってくるのは結構なことです。しかし、複雑な内容で、かつ役所からの周知徹底がなければ、制度の有効活用は進みません。高齢者医療制度を別立てにしたうえで、さらに高額療養費制度も継続されると、一段と複雑になります。誰でも分かり、誰でも自分で計算できる、そんな利用しやすい制度にすることが必要です。そもそも、総理大臣や厚生労働大臣が現在の制度を自ら説明できなくては改革できません。尾辻大臣はよくご存知だと思いますが、小泉さんはどうでしょうか。一度聞いてみたいと思います。

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耕平さんかわら版   41号(平成17年11月)

 皆さん、こんにちは。今年もあとひと月足らず。早いものですね。この冬は鳥インフルエンザや新型インフルエンザがはやることが懸念されています。よく食べて、よく寝ること、それが最良の予防策です。健康にご留意ください。インフルエンザ騒動について教えてほしいとのご要望がありましたので、今月は鳥インフルエンザ、新型インフルエンザについてお伝えします。

 

 インフルエンザウィルスの種類

 

 インフルエンザウィルスは、その構造の特徴によって三種類に分かれます。A型、B型、C型です。もうひとつ、別の分け方があります。それは、ウィルスの表面にある突起物による分類です。突起物には、HというものとNというものがあります。HやNは、突起物の略称として科学者が命名したもの。喩えて言えば、A型、B型、C型は「にわとり」の品種、突起物は「とさか」の形とでも言いましょうか。

 さらに、Hには15タイプ、Nには9タイプあります。したがって、HとNの組み合わせによって、159=135タイプのウィルスが存在することになります。すごいですね。その135タイプがA型、B型、C型の三つに分類されます。そこで、新聞やテレビで報道される際には、「A型H5N1」(A型で、Hはタイプ5、Nはタイプ1のウィルス)などと表現されることになるのです。

 

 鳥インフルエンザと新型インフルエンザ

 

 このうち、A型が病原性の高い鳥インフルエンザウィルス。このウィルスが鳥だけに感染しているうちは、問題は鳥の世界だけに限定されます。ところが、突然変異で人間にも感染するようになるのが新型インフルエンザウィルスです。そして、昨年から今年にかけて、突然変異の兆候が東南アジアで出始めています。つまり、人間に感染し、死者も出ているのです。世界的に緊張感が高まっています。古い話ですが、一九一八年から一九二〇年にかけて世界で大流行して数千万人の死者を出したのがスペイン風邪。これも新型インフルエンザです。

 新型インフルエンザの予防と流行対策には巨額の資金が必要です。大量のワクチンと薬を用意するためです。こうした財源を捻出するためにも、財源をムダ遣いしている余裕はありません。にもかかわらず、相変わらず役所のムダ遣いや不必要な事業予算のニュースが後と断ちません。困ったものです。

 新型インフルエンザの懸念は今年の冬だけではありません。鳥インフルエンザが流行している限り、常に新型インフルエンザのリスクがつきまといます。来年の通常国会でも、小泉さんと鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ対策について、シッカリと議論したいと思います。ところで、小泉さんの顔が何だか鳥っぽく見えるのは僕だけでしょうか。

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 耕平さんかわら版   第42号(平成17年12月)

 

皆さん、今年もあと十日。メッキリ寒くなりましたが、お風邪などひかぬよう、くれぐれもご自愛ください。

 さて、寒い季節に、さらに背筋が寒くなる事件が起きています。いや、背筋が寒くなるというより、怒りでこめかみに青筋が立つという人もいるかもしれませんね。そうです。一連のマンション耐震構造計算書偽装問題です。マンションが震度五程度の地震で倒壊するかもしれないという危険極まりない話。住民の皆さんは、怒りと不安で夜も眠れないことと思います。

 しかし、どうしてこんな問題が起きてしまったのでしょうか。原因のひとつは一九九八年の建築基準法改正にあります。この改正で、これまで「官」が担ってきた「建築確認」という仕事を民間企業もできるようになりました。「建築確認」とは、建物の設計が建築基準を満たしているかどうか検査することです。今回の事件は、姉歯元建築士がウソの設計書を作成し、「建築確認」を請け負った民間企業がそれを見逃してしまったことによって起きました。見逃していたというより、設計書をシッカリと検査していなかったということです。

 「官」の仕事振りが、非効率で、遅い、高い、ということから、「官から民へ」という流れができました。「官」も効率性を求められる時代です。しかし、その一方で、「民」であれば何をしてもいいという訳ではありません。本来やるべき検査をやっていなかったということは、「民」の怠慢、いや犯罪行為といっても過言ではありません。ウソの設計書の作成はそれ以前の問題です。建築は国民の生命と財産に関わる大事な分野であり、「民」の行う仕事であっても公共性を伴います。

「官から民へ」「民にできることは民に」というキャッチフレーズは正しいことですが、「官」であれ、「民」であれ、守らなければならないことがあります。また、「官」には効率性が求められる一方、「民」にも公共性が求められる時代です。つまり、「官」と「民」の境界線が曖昧になってきています。「官」でもなく、「民」でもなく、みんな「国民」という括り(くくり)では区別はないのです。「官」であれ、「民」であれ、「国民」として当然の責務を果たさなくてはなりません。

 姉歯元設計士をはじめ、この事件の関係者には、事の重大さを認識して、この際、正直に全ての真実を明らかにすることを求めたいと思います。事件が起きてしまった今となっては、それが「国民」として果たす責務でしょう。この問題、来年の通常国会でもシッカリと議論していきたいと思います。

 

 

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耕平さんかわら版   第43号(平成18年1月)

 

医療のアネハ問題?

 

皆さん、明けましておめでとうございます。足かけ五年目に入りました耕平さんかわら版。今年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、通常国会が始まりました。今国会の最大のテーマは医療制度改革・・・だったはずですが、昨年末に発覚したマンションやホテルの構造設計書の偽装問題で、医療制度改革も存在感が薄くなっています。でも、このアネハ(姉歯)問題が医療制度改革にも通じる視点を提供してくれています。

先月号でもお伝えしましたが、今の時代、だんだんと「官」と「民」の区別が曖昧になってきています。「官」であっても、非効率な仕事振りが許されることはなく、税金や社会保険料をムダ遣いしないように努めなくてはなりません。

一方、「民」も、「民」であれば何をしてもよいということはありません。「民」であっても、公共性、公益性を求められる仕事はたくさんあります。・・と言うよりも、公共性、公益性を伴わない仕事はひとつもないと言っても過言ではありません。

生まれながらにして公務員、つまり「官」である人は誰もいません。生まれた時には、みんな「民」、つまり民間人です。就職する時に、公務員を目指す人も入れば、企業やNPOやその他さまざまな組織の一員を目指す人もいます。その所属する組織によって、求められる効率性、公共性、公益性の程度が異なるだけです。

医療という分野は、「官」でしょうか、「民」でしょうか。おそらく、どちらにも当てはまらず、「公」という字がもっともピッタリくるのではないでしょうか。

「公」の分野の仕事ですが、民間病院や民間人としてのお医者さんが担うこともあれば、公立病院やそこに務める公務員としての勤務医が担うこともあります。

アネハ問題も同じです。構造設計、建築確認は、仕事としては「公」の側面が強い分野です。それを民間人、公務員のどちらが担おうとも、果たさなければならない社会的責任、守らなければならない公共性、公益性があるのです。

今回の医療制度改革、たとえそれがどのような内容であれ、医療という分野で、果たさなければならない社会的責任、守らなければならない公共性、公益性は何かということをシッカリと議論することが必要です。

小泉さん、前原さんの党首討論ではそういう深い議論を期待したいものです。アネハさんと三人で議論してもらうと、けっこう盛り上がるかもしれませんね。