耕平さんかわら版   第68号(平成20年2月)


皆さん、こんにちは。まだまだ寒い日が続きます。春本番が待ち遠しいですね。さて、国会では春を通りすぎてひと足早く熱い論戦真っ盛り。
論点はいろいろありますが、何と言っても注目は道路特定財源。マスコミもガソリン国会とネーミングしています。 しかし、道路特定財源の論争は、実はガソリン価格の引き下げが目的ではありません。

道路特定財源は、昭和二十九年(一九五四年)、道路整備緊急措置法によって設けられました。戦後復興が急務のこの頃、道路を造ることは、企業の製品や農家の生産物の出荷を容易にし、経済効果は抜群でした。それだけでなく、道路を造る建設会社は儲かり、作業員の皆さんの財布も潤い、八方良いことばかり。みんなが幸せになれました。

昭和四十九年(一九七四年)、暫定税率(本来よりも高い税率)が課されました。オイルショックの折から、税率を上げてガソリン価格を引き上げれば、需要が減ってガソリン価格も値下がりするという説明でした。要するに価格高騰対策。でも、本音は違います。実際は道路建設の財源をもっとたくさん確保したかったからです。

いずれにしても、道路を「緊急」かつ「暫定」的に建設することを目的としているのが道路特定財源暫定税率です。しかし、導入から五十年以上が経ちました。日本はまだ、道路を「緊急」かつ「暫定」的に建設しなければならない戦後復興途上の国でしょうか。実は、ここが本当の論点です。

道路特定財源とその暫定税率の維持を主張することは、日本はまだ道路を「緊急」かつ「暫定」的に建設しなければならない戦後復興途上の国であると言っているのと同じことです。そうあれば、美術館や音楽ホールなど、文化施設を建設することは諦めなくてはなりません。だって、戦後復興途上の国としては、そんなものを建設するよりも道路を造る方が優先だからです。

いやいや、もう戦後復興は終わった。道路も大事だけれども、医療、介護、教育、中小企業対策など、もう少しほかのことにも財源を回すべきだと考えれば、とりあえず暫定税率は廃止するという考えに至ります。そうすると、結果的にガソリン価格は値下がり。ガソリン価格の引き下げは、単なる「結果」にすぎないのです。

さて、日本はまだ戦後復興途上の国でしょうか、それとも、もう戦後復興は終わり、道路だけを優先することなく、限られた財源をバランス良くいろいろなことに使っていくことが必要な国でしょうか。福田首相はどのように考えているのか、是非聞いてみたいと思います。ちなみに、日本が世界に誇る数字がひとつあります。それは、国土に占める道路面積=道路密度は世界一だそうです。では、また来月。




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