耕平さんかわら版   第77号(平成20年11月)

皆さん、こんにちは。もうすぐ師走、すっかり寒くなりました。くれぐれもご自愛ください。

さて、ご承知のとおり、十月三十日、麻生さんが追加景気対策を発表しました。その追加景気対策の中に気になる項目がありました。それは「介護従事者の処遇改善と人材確保等」という項目。

詳しく読むと次のように書いてあります。「平成二十一年度の介護報酬改定(プラス三%)等により介護従事者の処遇改善を図り、それに伴う介護保険料の急激な上昇を抑制」。

この内容にはいろいろと問題があります。実は「介護報酬改定(プラス三%)」はまだ決まっていません。これを決めるのは介護給付費分科会です。もし麻生首相が「もう決めた。首相の決断だから言うとおりにしろ」と言うのならば、それは首相のリーダーシップ。

そこで、追加景気対策の内容を各省庁からヒアリングする十月五日の会議で、厚生労働省や財務省に「介護報酬三%アップは決まっていることですか」と質問すると「・・・」。沈黙でした。

「決まっているというなら良いことだと思いますが、それでは来年二月まで審議する予定の介護給付費分科会は単なる儀式ですか」と聞くと「・・・」。また沈黙でした。

さらに、この文章を良く読むと、後段は「それに伴う介護保険料の急激な上昇を抑制」となっています。「介護従事者の処遇改善のために介護関連の予算を増やすということではないのですか」と聞いても「・・・」。またまた沈黙。どうやら介護報酬三%アップの財源は保険料引上げが前提のようです。介護に新たな財源を当てるということではないようです。

では、どの部分が景気対策になるのでしょうか。おそらく「保険料の急激な上昇を抑制」の「抑制」の部分でしょう。しかし、それよりも「抑制」しなければ保険料が「急激な上昇」になる方が気になります。家計の負担は重くなり、むしろ介護サービスを受けることを我慢する人が増える可能性もあります。これでは、介護を重視するというメッセージもかけ声倒れ。いただけない話です。

この項目のみならず、今回の追加景気対策の内容は、どうやら来年度に向けて検討していた通常の政策を集めて発表したもの。景気対策はありがたい話ですが、ホッチキスで留めた内容では「???」です。

ここはひとつ、英国の名宰相ベンジャミン・デズレリーの名言をかみしめておきましょう。曰く「嘘には三つある。軽い嘘はただの嘘。重い嘘は真っ赤な嘘。最も罪の重い嘘は政府の嘘」。麻生さん「アッ、そう」なんて言ってる場合ではないですよ。

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