耕平さんかわら版   第95号(平成22年5月)

 皆さん、こんにちは。初夏のような日も多くなってきましたが、もうすぐ梅雨。くれぐれもご自愛ください。

 さて、日本をより良い方向に進めるためには、いろいろな政策や改革に取り組まなくてはなりません。

その際の「壁」「障害」になること、それは「ニムビィシンドローム」という現象です。

米国生まれの耳慣れない言葉ですが、「ニムビィ」は「Not In My Back Yard(ノットインマイバックヤード)」の単語の頭文字「NIMBY」のことです。

「バックヤード」とは「裏庭」のこと。「私の裏庭では余計なことはしないでほしい」「私に不利益なことはするな」という意味です。つまり、「ニムビィシンドローム」とは「みんなが自分に嫌なことはするなと主張する現象」のことを表現しています。

例えば予算。事業仕分けで無駄な予算、削るべき予算を特定しても、その予算にかかわっている人たちは「自分の予算を削るのはやめてほしい」という「ニムビィシンドローム」。

道路も空港も新幹線も港湾もつくりすぎました。そこで「この空港は廃止しよう」「この道路建設は中止しよう」といっても、やはりその地域の人たちは「それはやめてほしい」という「ニムビィシンドローム」。

そういう気持ちになるのも「人情」としては理解できます。人間の本質的な利己心と言ってもいいでしょう。「ニムビィシンドローム」という言葉が米国で誕生したことから明らかなように、どこの国でもあることです。しかし問題はその強弱。

日本の財政赤字は世界最悪。日本は「ニムビィシンドローム」がちょっと強すぎるのかもしれません。

よく考えると普天間問題も「ニムビィシンドローム」。沖縄県以外の四十六都道府県が「自分のところに米軍基地を持ってこないでくれ」と言い張れば、当然沖縄県の負担は減りません。それでも沖縄県から米軍基地を減らそうとすれば、国外移転しかありません。

「おれがおれがのが(我)を捨てて、おかげさまでのげで生きろ」。どこかのお寺の山門で見かけた一文が胸に染みます。

財政問題も防衛問題も、「おかげさま」という気持ちをもって、みんなで支えあう姿勢を高めていくことが日本をより良い方向に進めるための「鍵」のような気がします。頑張ります。


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