耕平さんかわら版   128号(平成25年2月

 皆さん、こんにちは。日差しは春めいてきましたが、まだまだ寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。

 昨年(二〇一二年)のモノの貿易総額の世界一が中国になりました。米国を抜いたということです。二〇一〇年に、GDP(国内総生産)で日本を抜いて世界二位になった中国。着実に存在感(プレゼンス)を増しています。

 領土問題などでも物議を醸(かも)す中国。好き嫌いは別にして、この巨大な隣国とどう向き合っていくのか。古来からの日本(かつては倭国)の課題です。

 さて、その中国で馬雲(通称ジャック・マー)さんという経営者が第一線の引退を表明。まだ四十八歳です。

 馬雲さんは日本がバブルで浮かれていた約二十年前には、中国杭州の大学の英語講師でした。

 一九九五年、米国で見聞したインターネットにヒントを得て、中国初のインターネットを活用したビジネス情報サイト「イエローページ」を開設。

 その後、紆余曲折を経ながらも、米国のヤフーや日本の楽天などの仕組みにも似た企業間電子商取引サイト「アリババ・ドット・コム」(中国名・阿里巴巴企業集団)を成功させ、二〇一二年の取引総額は一兆元(日本円で約十五兆円)。中国全体の小売総額の約五%に達しています。

 引退の理由は「急拡大する分野でビジネスを行うには、自分はもう若くはない。後進に道を譲る」との弁。何とも含蓄があり、考えさせられる発言です。

 もっとも「私はとてもアクティブ(活動的)で完全に引退することはできない」とも述べ、会長職にとどまり、後進社長や幹部にアドバイスをしていくようです。

 馬雲さんはビジネスの方向性について「私にもわからない」「どうもはっきりしない」ということをよく言うそうです。頼りなさそうに聞こえますが、馬雲さんに関する本などを読むと、その真意は「型にはめた考え方や方向性を押しつけない」ということのようです。

言わば、混沌(こんとん)としている中から何かが生まれることをイメージしています。中国自身が混沌とした変化の過程にあり、世界のビジネスも混沌としている現代社会。その本質を捉え、可能性を無限大に引き出している経営手法と言えそうです。

 それにしても中国の変化はもの凄いスピードです。まさしく、明治維新後の日本を彷彿(ほうふつ)とさせます。明治の日本でも、驚くほどの若さとスピードで多くの成功者、変革者、偉人を輩出しました。もっと前へ、ニッポン。頑張りましょう。

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