耕平さんかわら版   134号(平成25年8月

 皆さん、こんにちは。お盆も過ぎて秋が待ち遠しい季節となりましたが、まだまだ暑い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。

 インドの雨期(四月から七月)には虫や植物の新しい命が育ちます。それらをうっかり踏み殺したりしないように、雨期の間は一定の場所に籠もって修行をする「安居(あんご)」という習慣がお釈迦様の時代に定着しました。

 ある時、お釈迦様の高弟(マウドガルヤーヤナ)が、亡くなった自分の母親が地獄で苦しんでいることを知り、どうやって救ったらよいかをお釈迦様に相談しました。

 お釈迦様は「安居の明ける七月十五日に修行僧に食べ物を施して母親の幸せを祈れば願いがかなう」と諭しました。そのとおりにすると、母親が苦しみから救われたという故事にちなんで始まったのが仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)です。

 日本で最初に行われた盂蘭盆会は、六○七年七月十五日。仏教を日本に浸透させようとしていた聖徳太子の時代です。

 日本に古くからあった祖霊信仰と盂蘭盆会はうまく融合し、独特の風習となって定着したのが「お盆」です。

 年に一度、亡くなった親や先祖に思いをはせ、自らの日常や人生を省みる時間と言ってもよいでしょう。

 親の年齢になってみて、初めてわかる親の気持ち。ひとり一人が自らを省みて正しい心と行いを身につければ、夫婦も家庭も円満。円満な家庭が増えれば、社会も円満。

 全員が満足できる状況を生み出すことが容易でないのは、家庭も社会も同じです。まわりの人を思いやって何かを我慢する、自分を抑えることから、家庭も社会も円満な状況が生まれます。

 仏教はもともと人の生き方、人の道を諭(さと)す人生哲学とも言えます。ご先祖様と向き合い、自分自身を省みること、利他の精神を身につけることから、円満な家庭、平和でお互いに助け合う心に満ちた社会が実現します。

 一句「夏の夜(よる)お盆に思う人のみち」。

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