耕平さんかわら版   152号(平成27年2月

 皆さん、こんにちは。節分も過ぎ、春が待ち遠しい季節ですが、まだまだ寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。

 般若心経の意味を学ぶ今年のかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 「仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまーかーはんにゃーはーらーみーたーしんぎょう)」で始まるご心経。お遍路さんには空気のように馴染んだお経。ご存じの方も多いと思います。

 「仏説」は仏様が説かれた教えという意味。お大師様は、般若心経の解説(般若心経秘鍵)の中で、「仏様の教えは遠くにあるものではない。ひとり一人の心の中にある。近すぎて見えない」という趣旨のことを記しています。

 「摩訶」は大きいとか偉大な様子を表現。「般若」と聞くと怖い形相のお面を思い出します。でも「般若」の意味は広く深い知恵のこと。「般若湯(はんにゃとう)」は、お坊さんたちがお酒のことをそう呼びます。禁酒のはずのお坊さんたちの遊び心でしょうか。粋ですねぇ。

 知恵と知識は違います。現代社会の混迷は、知識はあっても、知恵のない人が増えたせいかもしれません。

 「波羅蜜多」は、こちらの岸(此岸、しがん)からあちらの岸(彼岸、ひがん)に渡ること。つまり、彼岸に渡って悟りの境地に達することです。

 英語の「パラマウント」という単語。実は、サンスクリット後の「ハーラーミーター」がヨーロッパに伝わって「パラマウント」になりました。意味は「最高」。それはそうですよね。悟りを開くことができれば、それは「最高」なことです。

 「心経」は、仏様の教えの一番大事な部分をまとめたお経という意味です。お釈迦様の教えは「八万四千の法門」と言われるように、多岐にわたっています。お釈迦様は相手にあわせ、それぞれの個性に応じて教えを説きました。様々な内容で人々を諭したお釈迦様。その教えの要点が「心経」です。

 「経」とは、もともとは数珠(じゅず)の玉をつなぐ糸のことだそうです。玉の数は百八つ。煩悩の数です。人々の煩悩を貫いて、教え諭すのが「経」。その真髄が「心経」ということになります。

 多くの人に親しまれるご心経。わずか三百文字弱の短いお経の中に、お釈迦様の教え、人間関係や社会の問題を和らげる心のあり方、生き方についての教えがたくさん詰まっています。

 それでは、また来月。ごきげんよう。合掌。

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