耕平さんかわら版   156号(平成27年6月

    皆さん、こんにちは。梅雨の季節です。くれぐれもご自愛ください。さて、旧暦の知立の縁日は今月は七日、新暦の覚王山の縁日はもちろん二十一日です。

 般若心経の意味を学ぶ今年のかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 今月は「舎利子(しゃーりーしー)是諸法空相(ぜーしょーほーくうそう)不生不滅(ふーしょうふーめつ)不垢不浄(ふーくーふーじょう)不増不減(ふーぞうふーげん)是故空中(ぜーこーくうちゅう)無色無受想行識(むーしきむーじゅうそうぎょうしき)」の三十一文字。

 「舎利子」の登場は二度目。ご記憶ですよね。お釈迦様の十大弟子のひとり。「舎利子よ、よく聞きなさい」と呼びかけています。

 「是諸法」は「世の中のあらゆること」というような意味でしょうか。それらは「空相」、つまり「仮の姿」であると言っています。

 さあ、ここからの十二文字もリズミカルな人気の一節。漢字から何となく意味がわかります。

 この世の中の本質は「不生不滅」、生まれることもなければ滅することもない。「不垢不浄」、汚いものもなければ綺麗なものもない。「不増不減」、増えもしなければ減りもしない。

 地球の物質は一定。原子の集まりです。宇宙全体も同じ、人間も同じ。物理学がなかった時代に、その本質を教え諭しているのがこのくだり。すごいですねぇ。

 それゆえ(是故)に「空中」つまり「仮の世界」であるこの世の中のことは「無色無受想行識」。

 さて「色受想行識」の五つを何と呼ぶかもご記憶ですよね。そう「五蘊(ごうん)」です。

 「色」はかたちある物、「受想行識」は心を構成する四つの要素。つまり「仮の世界」である世の中には、物も心もそもそも「無」。つまり「五蘊皆空」であると諭しています。

 自然界の真理。それが理解できれば、執着や欲もなくなり、争うことも、奪い合うことも、無意味であることを覚ります。

 多くの人に親しまれるご心経。わずか三百文字弱の短いお経の中に、お釈迦様の教え、人間関係や社会の問題を和らげる心のあり方、生き方についての教えが詰まっています。

 みんなが「是諸法空相」の本質を体得すれば、国同士、人同士の争いや問題も少なくなるでしょうね。

 それでは、また来月。ごきげんよう。合掌。

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