耕平さんかわら版   161号(平成27年11月

  皆さん、こんにちは。晩秋初冬の季節。くれぐれもご自愛ください。さて、旧暦の知立の縁日は今月は二日、新暦の覚王山の縁日はもちろん二十一日です。

 般若心経の意味を学ぶ今年のかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 今月は「菩提薩?(ぼーだいさった)依般若波羅蜜多故(えーはんにゃーはーらーみったーこー)」の十二文字。

 「菩提薩?」はサンスクリット語の「ボーディサットヴァ」。直訳すると「悟りを求める人々」という意味だそうです。

 古代中国の訳経僧(やっきょうそう)とはインドの言葉(サンスクリット語)で書かれたお経を中国語に翻訳したお坊さんのこと。訳経僧は巧みに漢字を当てはめました。

 「菩提薩?」の一文字目と三文字目を残して短縮すると「菩薩」。「菩薩」はいろいろです。観自在菩薩(観音菩薩)、地蔵菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩など、いずれも「悟りを求める人々」です。

 ちなみに「悟りを得た(開いた)」後には「如来」「仏」と呼ばれます。

 さて「般若波羅蜜多」は三回目の登場です。最初は二月号で出てきましたね。つまり、ご心経の始めの「仏説般若波羅蜜多心経」のところです。

 二月号の内容、覚えていますか。「般若」とは、広く深い知恵のこと。「波羅蜜多」はこちらの岸(此岸、しがん)からあちらの岸(彼岸、ひがん)に渡ること。つまり「般若波羅蜜多」は、広く深い知恵で彼岸に渡って悟りの境地に達することです。

 「知恵」をより正確に表現すれば「智慧」と書きます。仏教では「般若波羅蜜多」を一般的な知恵や知識と区別して「智慧」と記すのが正確です。

 残るは「依」と「故」。これは漢字どおりの意味。つまり「菩提薩?の般若波羅蜜多に依るが故に」となります。

 悟りを求める人々の広く深い知恵で彼岸に渡って悟りの境地に達することに依って、故に「かくかくしかじか」になります。その「かくかくしかじか」は次のくだり。来月号のお楽しみです。

 多くの人に親しまれるご心経。わずか三百文字弱の短いお経の中に、お釈迦様の教え、人間関係や社会の問題を和らげる心のあり方、生き方についての教えが詰まっています。菩薩のような「智慧」を体得すれば、国同士、人同士の争いや問題も少なくなるでしょうね。

 それでは、また来月。ごきげんよう。合掌。

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