耕平さんかわら版   第84号(平成21年6月)

 みなさん、こんにちは。梅雨本番です。紫陽花(あじさい)が楽しみな季節ですが、健康にはくれぐれもご留意ください。

 橋本大阪府知事が「ぼったくりバー」と評した国直轄事業の地方負担金。政府が「道路を作る、建物を建てる」と決めると、建設費の一部を地方自治体が負担させられる仕組みです。

 政府は、その地方負担金を実際に何にどのように使っていたかを今まで全く明らかにしていませんでしたが、批判を受けてようやく明細を公開。その明細によって、国の出先機関の新庁舎建設費や国家公務員の退職金や年金保険料などにも使われていることが判明。「ウ〜ン」と唸ってしまいました。

 江戸時代、幕府は大名を普請奉行に任命し、治水工事や橋の建設をさせました。普請奉行に任命された大名は巨額の建設資金や人件費を負担し、藩の財政は悪化。幕府の狙いは大名の財政余力を奪い、幕府に抵抗する勢力の力を削ぐことでした。

 不要不急の公共事業やハコモノ建設を地方に押し付ける国直轄事業の仕組みは、まさしく現代の普請奉行。おまけに、国の出先機関は言わば幕府の出城(でじろ)。その出城の建設費まで負担させていたとは江戸時代の幕府より巧妙です。

 今年度予算に政府が計上した出城の建設費は八省庁三十六施設で総額二千四十九億円。一方、政府の地方分権推進委員会が統廃合を求めたのはその八省庁の出先機関。地方整備局、地方農政局など十五系統の出城です。幕府はもはや支離滅裂。

 その出先機関は、長い間、利権に与(くみ)して不要不急の公共事業やハコモノ建設を行い、完成後はそれらの運営組織が新設されて官僚の天下り先となりました。この仕組みが日本の膨大な財政赤字の元凶です。

 出城の対語(ついご)は根城(ねじろ)。辞書によれば、出城は「敵の動きを監視するために国境などに設けた小規模な城」。根城は「主将の居城である本丸」。

 幕府の出城(出先機関)が根城(霞ヶ関)の地方分権推進委員会から統廃合を求められるのは、言わば幕府内の内紛。出城がある現地では普請奉行が反旗を翻し、根城では「ハトの乱」も勃発。幕府はいよいよ末期症状です。

 衆議院議員の任期満了まであと二ヶ月半。国の主役は国民の皆さん。憲法にもそう書いてあります。なぜならば、政府が使うお金は全て国民の皆さんの財布(税金や社会保険料)で賄われるからです。そして、その主役の皆さんが政府を選択する機会が総選挙です。

 とはいえ、日本に議会ができて百二十年。普通選挙になって六十年。本当に政府の選択=政権交代が可能な状態で総選挙を迎えたことは一度もありませんでした。今度の総選挙は、日本の歴史上、初めての「政権交代可能な総選挙」です。皆さんの貴重な投票権を大切にお使いください。


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