耕平さんかわら版   第85号(平成21年7月)

  皆さん、こんにちは。いよいよ夏本番。地球温暖化の影響もあって年々暑さが厳しくなっているような気がします。くれぐれもご自愛ください。

 さて、この原稿を書いているのは十三日の月曜日。昨日の東京都議会議員選挙の結果を受けて、麻生さんが「二十一日(弘法さんの日)解散、来月三十日投開票」の総選挙日程を決めたというニュースが流れています。

 しかし、麻生さんの考えどおりに話が進むとは限らず、このかわら版をお配りしている二十一日には違う展開になっているかもしれません。

 とは言え、いずれにしても総選挙はやってきます。今年の干支(えと)は「己丑(つちのとうし)」。総選挙を前に、今月はちょっと季節外れの干支の話題をお届けします。

 干支は十干十二支(じっかんじゅうにし)の組み合わせ。十干は「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」の十種類、十二支は「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」の十二種類。「甲子」の組み合わせから始まり、「乙丑」「丙寅」と変わっていきます。十一番目の組み合わせで十干は「甲」に戻って「甲戌」となりますから、十二支が一巡する間に二つずつ組み合わせがずれていきます。

 そうすると、十と十二の最小公倍数の六十で最初の「甲子」に戻るので、六十歳のことを暦(こよみ)がひと環り(まわり)する「還暦」と言います。因みに「甲子」の年に建設された野球場が甲子園です。

 つまり、二十四歳、三十六歳、四十八歳で「今年は私の干支だ」という表現を使うのは実は間違い。「今年は私の十二支の年だ」というのが正確で、自分の干支は人生で一回、六十歳の時にしか巡ってきません(百二十歳まで頑張ると二回目を迎えます)。

 さて、今年の「己丑」という干支は、暦の本によると「新しい秩序が始まる年」。六十年前の「己丑」である一九四九年は、ドイツが東西に分裂、中華人民共和国も誕生して世界の東西対立の枠組みが決まった年です。日本も西側の一員として再スタート。輸出主導経済を運営していくために一ドルが三百六十円と定められ、東京、名古屋、大阪の証券取引所が再開されました。つまり、二十世紀後半の枠組みが決まった年です。

 さらに遡って百二十年前の「己丑」の一八八九年は、日本で初めて憲法と議会が誕生した年であり、日本が近代国家の仲間入りを果たした年。つまり、二十世紀前半の日本の枠組みが決まった年です。

 さて、それでは今年の「己丑」はどんな「新しい秩序」が始まるのでしょうか。十年後ぐらいにならないと客観的な評価は難しいと思いますが、少なくとも、総選挙の結果は、皆さんの関心が高い医療、介護、年金をはじめ、いろいろな政策制度の今後の方向性に影響を与えます。

 今の方向性で良いと思えば「現状維持」、少し見直した方が良いと思えば「変化」を選択する。それが総選挙の意味です。

 日本の議会政治が始まって百二十年、普通選挙になって六十年、もっと言えば日本の歴史二千余年の中で、国民の皆さんの選挙の結果に従って「政府」「政権」を作り変えたことは一度もありません。今回の総選挙の意義を皆さんと共有して、よく考えて僕自身も投票権を大切に使いたいと思います。


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