耕平さんかわら版   第91号(平成22年1月)

 あけましておめでとうございます。かわら版は足かけ九年目に入りました。今年もご愛読のほど、よろしくお願い致します。

 今年は二○一○年。干支(えと)は「庚寅(かのえとら)」。「これまでのやり方が改まる」という含意があるそうです。「失われた二十年」に終止符を打ち、「日本再構築の十年」のスタートの年としたいと思います。

 さて、十八日から通常国会が始まりました。国会は旧憲法下では九十二回開催され、現憲法下では百七十三回目になります。

 干支のひと回り前、つまり六十年前の「庚寅」の一九五○年は朝鮮戦争が勃発。東西冷戦のリスクが顕現化した年です。隣接する日本は、西側にとってソ連、中国と対峙する最前線。日本の経済復興は西側の共通利益となり、一ドル三六○円の優遇された為替相場での貿易立国が保証されました。

 五十年前の一九六○年は日米安保条約締結の年。西側の盟主米国は、経済復興が軌道に乗った日本との安定的な軍事同盟を確立。軍事費負担を軽減された日本は公共事業を中心とした用途に財源を回し、経済成長を加速。

 四十年前の一九七○年は大阪万博の年。東京五輪(一九六四年)に続く万博開催は日本の経済成長がピーク期を迎えたことの象徴的イベント。北京五輪に続く上海万博を開催する今年の中国の姿と重なります。

 そこから二十年間が二十世紀日本にとっての最盛期。一九七九年にはヴォーゲル博士の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が出版されました。

 そして二十年前の一九九○年は東西ドイツ統一の年。東西冷戦が終結し、西側にとって日本を特別扱いする理由が明示的に消失。そこから二十年。日本はバブル崩壊の影響を引きずりながら、世界の変化に対応できずに「失われた二十年」を甘受。

 この間、中国は急成長。今年には国民総生産(GDP)が日本を抜いて世界第二位となります。欧州連合(EU)は政治統合が進み、昨年末には新大統領が誕生。ロシアもソ連崩壊から立ち直り、資源大国として再生。

 二○一○年代はこうした世界の変化に対応する「日本再構築の十年」としなければなりません。日本を取り巻く変化を的確に認識し、日本の戦略を明確にすることが必要です。頑張ります。


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