耕平さんかわら版   第98号(平成22年8月)

 皆さん、こんにちは。気象庁によれば、今年の夏は「猛暑」ではなく「激暑」だそうです。「激暑」という言葉があることを初めて知りました。くれぐれもご自愛ください。

 現在、内閣府副大臣として仕事をさせていただいていますが、内閣府の担当業務はいろいろあります。例えば、都市政策もそのひとつ。現在、十年前に策定された都市再生基本方針の見直し作業に取り組んでいます。

 ある研究機関が、アジアの都市の投資対象としての有望度の順位を発表しました。東京は上海、香港、北京、ソウル、シンガポール、シドニーに次いで七位。出遅れています。

 日本の都市政策に欠けているのは五十年後、百年後を見越した首尾一貫した構想。東京駅周辺、新宿副都心などの特定地域の再開発ばかりが繰り返され、東京全体の未来構想が共有されていません。

 そもそも、かつて東京(江戸)は世界に誇る都市建設の成功例でした。幕末に江戸を訪れた英国人ロバート・フォーチュンは「江戸の美しさは世界のどの都市も及ばない」と絶賛。明治時代のお雇い外国人は異口同音に東京を「ガーデンシティ」、日本を「ガーデンアイランド」と呼びました。

 同じ頃、フランスではセーヌ県知事を務めたジョルジュ・オスマンがパリ改造を断行。当時のパリは細い路地が入り組み、道路や河川にゴミや人間や家畜の糞尿がたまる劣悪な環境でした。

 オスマンは、幅員の広い道路網整備や街区の内側に中庭を設ける緑化を推進。エトワール凱旋門から放射状に伸びる十二本の並木道(ブルヴァール)を作り、街路に面する建造物の高さを定めて軒高を連続させ、屋根の形態や外壁の石材も指定。統一的な都市景観を目指しました。

 百年経ってオスマンの構想は実現し、今やパリは花の都。日本の都市政策にもそうした長期ビジョンが必要です。

 東京だけでなく、名古屋や大阪のような大都市、それ以外の地方都市についても、それぞれの特性と地域の個性を活かす長期ビジョンが必要です。

 最近は大阪府の橋下(はしもと)知事とも仕事でいろいろとご協力いただいています。橋下さんともよく議論して、名古屋や大阪、さらには全国の都市や街がもっと魅力的になるように頑張ります。


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