耕平さんかわら版   第108号(平成23年6)

 皆さん、こんにちは。蒸し暑い日が続いています。梅雨明けが待ち遠しいですが、今年の夏は節電も待っています。くれぐれもご自愛ください。

 先月号では、日本の焼き肉店で発生した食中毒事件の原因、腸管出血性大腸菌の「O一一一(オーイチイチイチ)」についてお伝えしました。

 その直後から、今度は海外で大勢の死者が出る食中毒事件が発生。それ以降、被害はドンドン拡大。

 この原稿を書いている六月十一日現在、「O一〇四(オーイチマルヨン)」による死者はドイツ、スウェーデンなどで三十一人。感染者はEU(ヨーロッパ連合)など十五ヵ国で約三千人。

 感染源は当初スペイン産のキュウリと言われていました。しかし、その証拠はなく、その後はトマト、レタスなどが疑われ、今日の段階ではモヤシが感染源と言われています。

 具体的には、昨日(十日)、ドイツの国立ロベルト・コッホ研究所が「感染源はモヤシなどの発芽野菜の可能性が高い」と発表。これに伴い、ドイツ政府は、キュウリ、トマト、レタスを生で摂取しないよう呼びかけていた警告を解除しました。

 ドイツのバール保健大臣も、「断定はできないが、ドイツ北部の農場で収穫された発芽野菜が感染源である可能性が高い」と述べています。

 先月もお伝えしましたが、腸管出血性大腸菌は健康な牛の内臓の中に普通に存在している菌です。

 ドイツでは牧場と農場が混然一体となって立地しているため、発芽野菜に牛の糞尿等が付着したのかもしれません。

 しかし、そもそも「O一〇四」であるかどうかも流動的です。通常「O一〇四」は子供の感染者が多いのに対して、今回の感染者は全員二十歳以上。しかも三分の二は女性です。

 そうした中、遺伝情報の世界的な権威である北京ゲノム研究所(中国)とドイツの大学病院は共同で分析結果を発表。曰く「抗生物質に耐性を持った全く新しい毒性の強い大腸菌である」としています。

 さらに、世界保健機関(WHO)は「人から人への感染例が確認された」と発表。困ったことです。かわら版をお配りする二十一日頃には、新しい菌の名前が命名されているかもしれません。

 「O一一一」は「生肉を食べることは推奨されていない」ことを再認識させてくれました。今回の食中毒事件の「新しい菌」は「生野菜もシッカリ洗って食べましょう」ということを教えてくれています。

 蒸し暑い季節になると、ますます衛生面に注意が必要です。食生活には十分にお気遣いください。


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