耕平さんかわら版   127号(平成25年1月

 あけましておめでとうございます。今年も初弘法の日になりました。このかわら版も足かけ十二年目。ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

 今年はヘビ(蛇)年。ヘビというと脱皮を連想するので「今年は脱皮の年」という新年の挨拶をずいぶん聞かれたことと思います。

 ヘビというと、くねくねという縄(なわ)を連想しますが、縄にまつわるよく聞く慣用句として「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如(ごと)し」というものがあります。

 出典は中国の古典である「史記」と「漢書」。「災いと幸福は表裏一体で、まるでより合わせた縄のようにかわるがわるやって来る。不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりする」という含意(がんい)です。

 昨年末からの株高と円安は歓迎すべきことですが、「禍福は糾える縄の如し」ということも肝に銘じておく必要があります。

 為替や金利は、上がっても、下がっても、メリット(長所)とデメリット(短所)の双方があります。「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

 円安もあまり行き過ぎると、輸入品の価格が高くなります。「輸入品を買わなければいい」と言いたいところですが、そうもいきません。日本は大量の原油や食料を輸入していますので、燃料代や食費が嵩みます。燃料代高騰は、企業のコストアップにもつながります。

 「物価があがるから、デフレ脱却につながる」という人もいますが、物価だけ上がって、給料(所得)が上がらないと困るでしょう。企業も、原材料費が先に上がって、売り上げの伸びが追いつかないということでは困ります。

 円安にするために、お札をたくさん刷って円の価値を下げるという政策が実行されつつありますが、メリットとデメリットの双方に留意することが大切です。

 今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」は会津藩が舞台。会津藩の「什(じゅう=藩士の子弟を教育する組織)の掟(おきて)」の締め言葉は「ならぬものはならぬ」。つまり「やってはならないことはやってはならない」「駄目なものは駄目」ということを諭しています。

 お札をたくさん刷りすぎること、そのことで国債をたくさん発行し易くすることは「ならぬものはならぬ」ことです。何ごとも「禍福は糾える縄の如し」「過ぎたるは及ばざるが如し」を肝に銘じて、ヘビ年を大過なく歩みたいものです。

 皆さん、今年もどうぞよろしくお願い致します。

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