耕平さんかわら版   129号(平成25年3月

 東日本大震災から二年が経ちました。改めて犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆さんに心からお見舞い申し上げます。

引き続き、被災地の復旧・復興、被災者の生活再建に全力をあげなくてはなりません。また、福島第一原子力発電所では、今もなお毎日三千人、交代制で約一万人の人たちが事故処理に当たってくれていることも忘れてはなりません。この人たちを国民全体で応援していくことが必要です。

 厚生労働副大臣として東日本大震災、福島第一原子力発電所事故に遭遇し、被災者の救助・救援、医療支援、食品の放射性物質暫定規制の導入などに携わりました。責任の重さを痛感しながら、全力で職務に当たりました。

 その経緯、とりわけ災害救助法対応や放射性物質暫定規制導入の経緯と根拠などについて、その記録を残すことが必要と考え、昨年の三月十一日を前に、丸善出版から「三・一一、大震災と厚労省」という本を出版しました。サブタイトルは「放射性物質の影響と暫定規制」です。

 おかげさまで、当時の事実を冷静に検証したいという皆さんから「参考になる」という声をたくさんいただいています。ご興味がある方は是非ご一読ください。

 東日本大震災、原発事故の記憶を風化させてはなりません。過去の防災対策や原子力政策の検証、震災・原発事故対応の検証を疎かにすると、結果的に今回の災禍を後世に活かすことができません。

 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」は「江戸いろはかるた」に出てくる「の」の札。英語にも「The danger past and God forgotten」(危険が過ぎると神は忘れ去られる)とか「Vows made in storms are forgotten in calms」(嵐の時になされた誓いは平穏な日には忘れられる)といった同じような格言があります。

 自然災害や科学の過信に基づく事故は繰り返し起きています。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」は古今東西の世の常。しかし、今回ばかりはその教訓を活かさなくてはなりません。

 そのことを肝に銘じて職務に精励します。もっと前へ、ニッポン。頑張ります。

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