耕平さんかわら版   136号(平成25年10月

 皆さん、こんにちは。秋本番、今年もあと二か月あまり。朝晩の冷え込みも厳しくなります。くれぐれもご自愛ください。

 十月の古称は神無月(かんなづき)。出雲大社に国中の神様が集まるため、出雲以外には神様がいなくなるので「神無月」。そう伝えられています。一方、出雲地方では「神在月」とも呼ばれ、「神迎祭」が行われます。興味深いですね。

 神様が出雲に出かけている間に郷(さと)を鎮(まも)る「留守神」を祀る地域もあるそうです。一般に「留守神」には恵比須様がなることが多く、十月に「恵比須講」を行う地域も少なくありません。

 日本社会の特徴は「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」。六世紀に日本に伝来した仏教信仰と、日本古来の神祇信仰が混然一体となったものです。神社と寺院が並んで建っていることも珍しくありません。

 仏教伝来後、やがて「本地垂迹(ほんじすいじゃく)」説も登場。日本の八百万(やおよろず)の神々は、様々な仏(如来や菩薩など)の化身として現れた「権現(ごんげん)」であるとする考え方です。

 「山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)」とは、人間に限らず、山川草木や生類すべてに仏性が宿るという考え方。いかにも日本的と言えます。

 食事前の挨拶である「いただきます」も、言わば「山川草木悉有仏性」の心に近い感謝の言葉。植物にしろ、動物にしろ、その「生」を頂戴して人間が「生」を維持していることへの感謝の証(あかし)。

 自然との共生、他の生き物(動植物)との共存は、地球という閉ざされた空間で生きていくための当然の前提。しかし、人間はますます横暴、横柄になっているような気がします。

 今年の「神無月」。月初は真夏日が続出。気象台の観測史上、十月としては最も暑い日というニュースを何度も聞きました。僕が子どもの頃は竜巻のニュースは聞いたことがありませんでしたが、最近は国内でも被害が続出。明らかに天候や自然現象が変化しています。


 人間は、自然への感謝の気持ちを忘れずに、謙虚な姿勢で活動していかないと、やがて神様からも、仏様からも、お叱りをうけるかもしれません。

 そういうことも沈思黙考、自省しながら、あと二か月、無事息災に過ごしましょう。

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