耕平さんかわら版   143号(平成26年5月

皆さん、こんにちは。初夏のような陽気の日もあれば、肌寒く感じる朝晩もある今日この頃。寒暖の差にご留意されて、くれぐれもご自愛ください。

 さて、今年に入ってからの「耕平さんかわら版」は、お釈迦様の教えを噛みしめながら、社会や人のあり方に思いをはせています。

 「諸行無常」「諸法無我」「一切皆苦」「涅槃寂静」からなる「三法印」「四法印」、「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」からなる「四諦」、そして「中道」。「生老病死」の「四苦」に「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」が加わって「四苦八苦」。さらには「正見」「正思惟」「正語」「正業」「正命」「正念」「正定」「正精進」からなる「八正道」。「戒定慧」の「三学」。

 お釈迦様の教えのキーワードを勉強してきました。読み方はそれぞれ先月号までをご参照ください。お釈迦様の深〜い教えですから、ちょっと勉強しただけで理解できるものではありませんが、それぞれ社会や人のあり方を考えるうえで、たいへん示唆に富んでいます。

 先日、熱心に読んでくださっている方から「大塚さん、要するに欲はいかんということでしょ」と名古屋弁で訊(たず)ねられました。

 そうですねぇ・・・、当たらずも遠からずとも言えますが、本当のところはちょっと違うかなぁという気もします。

 仏教では、人間には、食欲、性欲、睡眠欲、金銭欲、名誉欲の「五欲」があると言います。最初の三つは本能的な欲で、これらが完全になくなってしまうと、人間は個としても、種としても命を維持し、繋(つな)ぐことができません。これらを完全に否定するわけにはいかないでしょう。

 金銭欲と名誉欲は社会的な欲です。それが自立心や向上心に繋がる面もありますので、一概に悪いとは言えないでしょう。

 「五欲」は、本来は悪いものではありません。しかし、何かに妄執するほどの欲を持つと、様々な悩みや煩(わずら)わしさに苦しみます。

 「欲」に妄執する結果、本来は悪ではない「欲」が「悪欲」になります。食欲、性欲、睡眠欲も、妄執して度が過ぎると、飽食、愛欲、惰眠となります。

 日頃からご指導いただいている高僧がかつておっしゃった言葉が今も記憶に残っています。曰く「五欲は善でも悪でもない。欲を律すれば善となり、欲に囚われれば悪となる。要は心の持ち方次第」。なるほどなぁ〜と思いました。

 それを体感し、実践できるようになるためのヒントがいっぱい詰まっているのがお釈迦様の教えのキーワード。

 少しでも争いごとのない社会を目指して、そうした教えを僕自身の仕事にも活かしていきたいと思います。では、また来月。


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