耕平さんかわら版   162号(平成27年12月

  皆さん、こんにちは。いよいよ師走。今年もお疲れ様でした。さて、旧暦の知立の縁日は今月は二日、新暦の覚王山の縁日はもちろん二十一日です。

 般若心経の意味を学ぶ今年のかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 今月は「心無?礙(しんむーけーげー)無?礙故(むーけーげーこー)無有恐怖(むーうーくーふー)遠離一切顛倒夢想(おんりーいっさいてんどうむーそう)究竟涅槃(くーぎょうねーはん)」の二十四文字。僕が一番好きなくだりです。

 「?(け)」は「障(さわ)り」、「礙(げ)」は「妨(さまた)げ」という意味。どちらも何かに「こだわる」「ひっかかる」ことを表します。

 それを前提に読むと最初の十二文字は理解できます。つまり「心にこだわりがない。こだわりがないが故に何も怖いことはない」となります。

 次の八文字も漢字から想像できます。「顛倒」は間違った(常識がひっくりかえった)物の見方や考え方。「夢想」は妄想。「遠離」は遠く離れる、つまり「捨てる」という含意。これらをつなげると「一切の間違った考え方や妄想を捨てなさい」となります。

 そして「究竟」は結局という意味、「涅槃」は悟りの境地。つまり「結局悟りの境地に達する」。

 先月の十二文字(つまり直前の十二文字)の意味、覚えていますか。「悟りを求める人々の広く深い知恵で彼岸に渡って悟りの境地に達することに依(よ)って」でした。

 それに続く今月の二十四文字。悟りの境地に達することによって「心にこだわりがないから何も怖いことはない。一切の間違った考え方や妄想もなくなる。それが結局悟りの境地」という意味につながっていきます。

 そうです。悟ればこだわりがなくなり、こだわりがなくなれば怖いものもない。何かを怖れるのは、何かにこだわっているから。それは、悟ることができていない状態です。

 多くの人に親しまれるご心経。わずか三百文字弱の短いお経の中に、お釈迦様の教え、人間関係や社会の問題を和らげる心のあり方、生き方についての教えが詰まっています。こだわりのない心境になることで心は平穏。みんながこだわりがなくなれば、国同士、人同士の争いや問題も少なくなるでしょうね。

 それでは皆さん、よい年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願い致します。ごきげんよう。合掌。

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