耕平さんかわら版   167号(平成28年5月

  

皆さん、こんにちは。早くも初夏。日々、朝晩の寒暖差の大きい季節です。ご自愛ください。

 昨年から般若心経の意味を学んでいるかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 今月は「能除一切苦(のうじょーいっさいくー)真実不虚(しんじつぶっこー)」の九文字。

 この九文字は、漢字の意味を考えると分かりやすい部分です。

 「能」は「効く」とか「しっかり」「よく」というような意味です。薬の「効能」の「能」を連想してください。

 「除」は読んで字の如く「除く」です。何を「除く」のか。そうです、「一切苦」つまり「全ての苦しみ」をです。

 なるほど「能除一切苦」は「全ての苦しみをよく取り除く」ということですが、それはありがたい。でも、それって本当ですかとつい問い返したくなる私たち衆生(しゅじょう、大衆)の気持ちを先取りして「真実不虚」。

 「真実」はそのまま、「本当ですよ、真実ですよ」と言っています。

 「不虚」もそのまま、「虚(うそ)では不(ない)」と言っています。

 すなわち「能除一切苦真実不虚」は「全ての苦しみを取り除いてくれますよ、本当ですよ、虚ではありませんよ」と私たちに語りかけています。

 「何が」でしょうか。その主語は「ご心経(般若心経)」です。ご心経を信じて唱えれば、「全ての苦しみを取り除いてくれますよ、本当ですよ、虚ではありませんよ」ということを諭しています。

 では、ご心経は何を説いているのでしょうか。ご心経は仏様の教えの真髄。仏教は何を説いているのでしょうか。

 それは、ここまでの二百二十六文字が様々に説いています。例えば「色不異空空不異色色即是空空即是色」のくだりも真髄ですね。他の部分も様々に真髄を説いています。

 ご心経には登場しませんが、仏教にご関心の高い皆さんがよくご存じの「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」「一切皆苦」の四大原則(四法印)も真髄ですね。

 大衆(人々)が救われ、世の中(社会)の争いごとを少なくするためには、一人ひとりの心の持ちよう、生き方、人間哲学が大切です。それを説くのがご心経です。

 多くの人に親しまれるご心経。ここまでで二百三十五文字について学びました。あと三十五文字ですね。頑張りましょう。

 それでは皆さん、来月までごきげんよう。合掌。

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