耕平さんかわら版   169号(平成28年7月

  

 皆さん、こんにちは。いよいよ夏本番。暑さに負けず、頑張りましょう。くれぐれもご自愛ください。

 昨年から般若心経の意味を学んでいるかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 先月までに二百四十四文字について学びました。あと二十六文字。いよいよ佳境に向かいます。今月は「即説呪曰(そくせつしゅーわつ)」の四文字です。

 孫悟空に登場する三蔵法師。インドから多くのお経を持ち帰った玄奘(げんじょう)という実在の高僧がモデルになっています。

 持ち帰ったお経の中でもとくに重要なものが「大般若波羅蜜多経」。全部で六百巻、二百六十五章、千二百九十七の項から構成される大経典。文字数は六十億四十万字と言われています。もちろん、数えたわけではありません(笑)。

 その大経典の内容を凝縮し、教えの真髄を二百七十二文字(題目の十文字を除くと二百六十二文字)の「真言」または「呪文」に要約したのが「般若心経」です。

 その佳境、クライマックスですから、何と言いましょうか、凝縮のうえに凝縮した濃厚な原液を固めた丸薬のようなくだりです。何だか、テレビショッピングで宣伝している栄養素を凝縮した健康食品、健康薬のようですね(笑)。

 「即」は文字通り「すなわち」、「説」は「述べる」、「呪」はこれまでに何回も登場しましたが、呪文の「呪」。神仏の不思議な言葉、真実の言葉を意味します。「真言(しんごん)」も「呪」と同じです。

 「曰」も読んで字の如く「いわく(曰く)」。つまり、「即説呪曰」は、ここまでの二百四十四文字のいよいよ結論に入る前に、「すなわちこの呪文は次のことを述べているのです」と前置きしているのです。

 そして、そのあとに来るのがクライマックスの十八文字(羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶)と締めの四文字(般若心経)。来月以降のお楽しみです。

 大衆(人々)が救われ、世の中(社会)の争いごとを少なくするためには、一人ひとりの心の持ちよう、生き方、人間哲学が大切です。それを説くのがご心経です。

 多くの人に親しまれるご心経。ここまでで二百四十八文字について学びました。あと二十二文字。来月はご心経のクライマックス。流れるようなリズムで音読する十三文字についてです。

 それでは皆さん、来月までごきげんよう。合掌。

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