耕平さんかわら版   170号(平成28年8月

  

皆さん、こんにちは。立秋も過ぎましたが、まだまだ暑い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。

 昨年から般若心経の意味を学んでいるかわら版。生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 先月までに二百四十八文字について学びました。あと二十二文字。今月と来月はいよいよクライマックス。ご心経の真髄が凝縮されている部分です。

 最も難解な「羯諦羯諦(ぎゃーてーぎゃーてー)波羅羯諦(はーらーぎゃーてー)波羅僧羯諦(はらそうぎゃーてー)菩提薩婆訶(ぼーじーそわかー)」の十八文字。今月は前半の八文字です。

 インドから伝わった仏経典はサンスクリット語で書かれていました。それを西域(シルクロード)や中国の僧が漢訳。

 しかし、この十八文字は音写されています。サンスクリット語の原典をそのままの音で漢字を当てているだけです。

 サンスクリット語の発音をカタカナ表記すれば「ガテーガテーパーラガテーパーラサンガテーヴォーディスヴァーハー」となるそうです。

 さっぱりわかりません(笑)。世界の言語は微妙な接点があります。「ガテー」は英語の「ゴー」に転化したと言われており、つまり「行く」という意味です。ということで「羯諦羯諦」は「行こう、行こう」と呼びかけているのです。

 次の「波羅」は「波羅蜜多」の前半二文字。「波羅蜜多」はここまでに六回登場しています。覚えていますか。

 こちらの岸(此岸、しがん)からあちらの岸(彼岸、ひがん)に渡ること。つまり、彼岸に渡って悟りの境地に達することです。

 「波羅」は後半二文字を省略して「悟りの境地」を意味していますので、「波羅羯諦」は「悟りの境地を行こう」となります。

 「羯諦羯諦波羅羯諦」は「行こう、行こう、悟りの境地へ行こう」。そりゃあ、悟りの境地に至れば嬉しいですよね。でも簡単ではありません。

 大衆(人々)が救われ、世の中(社会)の争いごとを少なくするためには、一人ひとりの心の持ちよう、生き方、人間哲学が大切です。それを説くのがご心経です。

 多くの人に親しまれるご心経。ここまでで二百五十六文字について学びました。あと十四文字。来月はクライマックスの後半十文字。乞ご期待。

 それでは皆さん、来月までごきげんよう。合掌。

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