耕平さんかわら版   173号(平成28年11月

  

皆さん、こんにちは。もうすぐ師走、寒い日が増えてきました。朝晩は冷え込みます。くれぐれもご自愛ください。

 昨年から般若心経の意味を学んできたかわら版。ご心経は、生き方や社会のあり方を考える際の道標(みちしるべ)です。

 先月までにご心経二百七十文字全てについて学びました。お疲れ様でした。いろいろな解釈があるようですので、ご興味がある方は、高僧のお話をよく聞いたり、信頼できる仏教学者の著書などを読むことをお薦めします。

 宗派によって解釈も異なるようです。真言宗、禅宗、天台宗、法相宗などではご心経を使う一方、浄土真宗、日蓮宗、法華宗などではご心経を読まないとも聞きました(間違っていたらゴメンナサイ)。

 浄土真宗では「浄土三部経」、日蓮宗、法華宗では「法華経」を根本経典として使うそうです。

 どんなお経であろうとも、ルーツは同じお釈迦さま。教えの根っこは同じであるはずですし、同じでなければ困ります。

 しかし、今や、それをお釈迦さまから直接伺うわけにもいきません。さまざまなお経の解釈や修行を通して、それを感じ、体得し、悟ることが必要ですね。

 ご心経は何を説いていたのでしょうか。振り返ってみると、私の受け止め方としては、三つのことに集約されると思います。

 ひとつは「無」。何かに固執することを戒めています。もうひとつは「空」。空っぽではなく、無限を表す言葉です。三つめは「六波羅蜜行」または「菩薩行」。「無」や「空」の境地に達するために行動することの大切さを諭しています。

 何かにこだわることなく、広く穏やかな心で人や事物や社会と向き合い、相手のことを理解しようと努力をすること、その大切さを説いています。

 同時に、なかなかそれができない人間の本質的な執着、人間社会の愚かさを戒め、争いごとの絶えない人々(衆生)を諭しています。そのことは、どんなお経でも同じような気がします。

 以上のことを、繰り返し繰り返し唱えているのがご心経です。他のお経も、表現や諭し方は異なっても、その根っこは同じであると思います。また、そうでなければ困ります。

 多くの人々に親しまれるご心経。衆生(人々)が救われ、世の中(社会)の争いごとを少なくするためには、一人ひとりの心の持ちよう、生き方、人間哲学が大切です。それを説くのがご心経です。

 それでは来月までごきげんよう。合掌。

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